2009年3月17日火曜日

胆石について(病状別の治療)

なぜか、胆石の患者さんが急増中です。

胆石の治療について、お話しますね。

胆石の治療について調べてみると、
臨床消化器内科 という医学雑誌をウェブ上で見ることができます。

医療者向けの言葉で書いてあるので、すこしわかりにくいかもしれませんが、胆石症の病状別の治療について、まとめてみました。

米国内科学会の胆石治療ガイドラインでは、
胆石症を
1.無症状胆石
2.有症状胆石(胆石発作あり)
3.有合併症胆石(急性胆嚢炎、胆石性膵炎などを合併)の3群に分類している。

1.無症状胆石 は、健診などで偶然発見された症状のない胆石で、治療は不要。経過観察をする。ただし、胆嚢癌になる危険性の高い陶器様胆嚢や3cm以上の大胆石は、予防的に胆嚢摘出術を行うことが勧められている。

2.有症状胆石 は、腹痛などの症状があり、発作の再発が1年で2人に1人。10年では10人に7人に見られる。ただし、命に関わることはほとんどなく、患者さんが再発作の予防を希望する際には、治療を行う。また、初めての発作の際に、治療を希望されなければ、経過観察をしても良く、10人に3人は発作は再発しない。治療は腹腔鏡下胆嚢摘出術がされることが多い。

3.有合併症胆石 は、急性胆嚢炎や急性膵炎、胆管結石、急性胆管炎、胆管閉塞などを合併することがある。合併症により命に関わることがあるので、原則的に合併症の治療と胆嚢摘出術が必要である。急性胆嚢炎や急性膵炎などを合併した場合は、胆嚢摘出術を行わないと3ヶ月の経過中に10人に3人は合併症が再発する。

ということで、
お腹が痛くなって、病院に来られた患者さんは、
2.有症状胆石 もしくは、 3.有合併症胆石 に分類されます。

2.有症状胆石 で、初めての胆石発作の方は、経過観察にするか、再発予防のための手術を受けられるかを、選ばれれば良いと思います。

発作が2回目以上の方は、発作が再発する可能性が高いと思いますので、
発作の覚悟を決めるか、手術の覚悟を決めるか、どちらか、でしょうね。

3.有合併症胆石の方は、担当医の先生に病状を良く尋ねられて、治療を進めてください。


胆石症は、命に関わることもある病気です。
発作を繰り返すと、胆嚢の炎症が強くなり、手術がしづらくなることも多いです。

何が何でも手術、というわけではありませんが、
安全に手術をするためには、発作を繰り返してから覚悟を決める、というよりは、
早めの手術をお勧めします。

第3診察室 でも、 あなたの健康のお役に立ちます。
どうぞ、お越しください。


参考文献
臨床消化器内科 より 胆石症の手術適応

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